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部位 · 横隔膜、粗い肉目

ハラミ(スカートステーキ)

ハラミ(スカートステーキ)は牛の横隔膜です。アウトサイドスカートとインサイドスカートという二つの薄い筋肉で、呼吸のたびに働くため、ステーキの中でもっとも粗く開いた肉目と、際立って深い風味をもちます。強火で手早く焼いたものが、アルゼンチンのエントラーニャ、メキシコのアラチェラ、フランスのアンプ、そして日本のハラミです。

別名: Skirt · Diềm thăn · Entraña · arrachera · 안창살最終確認日 2026年10月25日6 出典

早わかり

部位
プレート(アウトサイドスカート)とフランク(インサイドスカート)
筋肉
アウトサイド:横隔膜の肋骨部 · インサイド:腹横筋
重さ
アウトサイド600–900 g · インサイド900–1,300 g、片側に各1本
調理法
ごく強火で手早く、レア〜ミディアムレア、繊維を断つように切る
外ハラミ(アウトサイドスカート)、3Dモデル3Dを読み込み中…↻ ドラッグで回転
図1 · 3D外ハラミ(アウトサイドスカート)

呼吸のたびに働く筋肉

ハラミ(スカート)は横隔膜、つまり胸と腹を隔て、呼吸のたびに収縮する膜状の筋肉です。休みなく働くためミオグロビンと風味に富み、厚さ1–2 cmの薄い膜なので、繊維が長くはっきり見える束になって走り、どのステーキよりも粗く開いた肉目になります。

精肉店では、同じ名前で呼ばれる二つの筋肉を分けています。アウトサイドスカートは横隔膜そのものの肋骨部で、肋骨の内側に付き、硬い膜に包まれています。幅が狭く、厚く、サシが多めです。インサイドスカートは腹横筋で、腹壁にある、より幅広く薄く赤身の多い筋肉です。多くの料理人や各国の料理はアウトサイドスカートを好み、ふつう値段も高めです。

ハラミと混同されやすい部位がほかに二つあります。サガリ(ハンガーステーキ)(フランス語でオングレ)は横隔膜の柱にあたる部分で、背骨から下がる一本の厚い筋肉です。フランクは別の腹部の筋肉で、より厚く、赤身が多く、肉目が細かく締まっています。

牛体での位置

ハラミ(スカートステーキ)は牛のどこか 読み込み中

07 フランクとプレート(ともバラ)

VacíoFlank steakハラミ(スカートステーキ) · この部位Entrañaサガリ(ハンガーステーキ)Short plateMatambre

部位をタップするとその部位の部位肉ドラッグで回転 · 部位をタップ牛全体を3Dで →

1頭から各2本だけ

枝肉の内側、胸が終わるあたりにあります。アウトサイドスカートはプレート(ともバラ)の第6〜第12肋骨の内側に沿い、インサイドスカートはフランクに沿っています。片側からアウトサイドスカートが約600–900 g、インサイドスカートが900–1,300 gずつ取れるので、牛1頭からはそれぞれ2本しか取れません。

横隔膜は長いあいだ内臓と同じ扱いで、安く売られていました。米国ではテクス・メクスのファヒータの肉になり、メキシコではアラチェラとしてマリネしてタコスに使われます。日本のハラミはかつて安価なホルモンでしたが、いまでは焼肉店でもっともよく注文される品のひとつです。アルゼンチンとウルグアイではアウトサイドスカートはエントラーニャと呼ばれ、アサードで独自の地位をもつ部位です。

スカート、ハンガー、アラチェラ、ハラミ:どれがどれか

牛の中央部にある三つの異なる筋肉がいくつかの名前を共有しており、同じ言葉が国境をひとつ越えると別の筋肉を指すこともあります。オーストラリアの「thick skirt」はスカートではなくハンガー(サガリ)で、香港のメニューの封門柳もハンガーです。ブラジルのフラウジーニャ(fraldinha)は横隔膜ではなく、フランクとフラップです。表は、それぞれの名前がふつう何を指すかをまとめたものです。腹壁の部位の名前(バヴェット、フラップ、フラウジーニャ)はバシオの表で整理しています。

名前地域どの筋肉か
Outside skirt米国(IMPS 121C)横隔膜の肋骨側:多くの料理人が求めるスカート
Inside skirt米国(IMPS 121D)腹横筋、腹壁の筋肉
Skirt · thin skirt英国 · オーストラリア、NZアウトサイドスカート
Thick skirtオーストラリア、NZハンガー(ハンギングテンダー)
Entrañaアルゼンチン、ウルグアイ、スペインアウトサイドスカート
Arracheraメキシコスカート(アウトサイドまたはインサイド)、多くはマリネ済み
Fajita meat米国スカート。スーパーではインサイドスカートやフランクの細切りのことが多い
Hampeフランスアウトサイドスカート
Ongletフランス、英国ハンガー
Solomillo de pulmón · entraña gruesaスペインハンガー
ハラミ harami日本アウトサイドスカート(横隔膜の肋骨側)
サガリ sagari日本ハンガー(背骨側)。北海道では横隔膜全体を指すことが多い
안창살 anchangsal韓国アウトサイドスカート
토시살 tosisal韓国ハンガー
外裙肉 · 內裙肉香港、台湾、中国アウトサイドスカート · インサイドスカート
封門柳 · 肝連香港 · 台湾ハンガー
Fraldinhaブラジルスカートではない:フランクとフラップ
Flank steak各地スカートではない:腹直筋

焼き方:強火で手早く、そして休ませる

強火で手早く焼きます。ハラミはグリルのいちばん熱い場所か、煙が出るほど熱したフライパンにのせて片面2〜3分ずつ焼き、中心温度約52–55 °C / 126–131 °Fのレア〜ミディアムレア(中心がまだ赤くしっとりした焼き加減)で引き上げ、数分休ませます(レスティング)。ミディアムを大きく超えると、細い繊維が縮んで革のように硬くなります。

切り方は火加減と同じくらい大切です。肉目は帯の幅方向に走っているので、まず長さ10–15 cmに切り分け、それぞれを繊維を断つ向きに薄く切ります。繊維に沿って切ると、どの焼き加減でも噛み切りにくくなります。

肉目が開いているので、マリネは何時間もかからず数分でなじみます。アラチェラやファヒータには柑橘、にんにく、唐辛子、韓国や日本の焼肉では醤油、砂糖、ごまが使われます。ラ・プラタ川流域では塩だけをして膜側から焼き、膜をカリッとさせます。日本ではハラミを一口大に切り、卓上の炭火で焼きます。

アウトサイドスカートは名前を指定して買う

アウトサイドスカートは名前を指定して注文します(米国ではIMPS 121C、オーストラリアではthin skirt)。その指定がないと、幅広く薄く赤身の多いインサイドスカートであることがよくあります。アウトサイドスカートは濃い赤色で、中央の厚さが約2 cm、繊維の束の間に脂の筋がはっきり見えるものです。

膜付きと、膜を外したものがあります。膜はコールドチェーンの中で肉を守り、グリルではカリッと焼けます。膜を外したものはそのままフライパンやマリネに使えます。アウトサイドスカートは枝肉1頭に2本しかなく、供給の多くが輸出に回るため、冷凍の真空パックで売られることの多い部位です。冷蔵庫でゆっくり解凍すれば、よく焼けます。縁が灰色になっているものや、ドリップの多いパックは避けます。

食べられる店

Steakpediaの独自セレクションでは、2都市の3軒のステーキハウスがこの部位を看板部位に挙げています。店名をタップすると、その都市のページで確認できます。

Shanghai2
Kanpai Classic (Bund 5)RAW Eatery & Wood Grill
Chicago1
El Ñandú

世界各地での名称

21

同じ筋肉でも、言語や取引規格によって呼び名が変わります。

EnglishSkirt
Tiếng ViệtDiềm thăn
EspañolEntraña · arrachera
한국어안창살
日本語ハラミ
FrançaisHampe
ItalianoDiaframma
РусскийСкёрт
中文外裙肉

すべての部位の名称を国ごとに →

取引規格と各国の規格

規格名称参照コード
米国Skirt steak · outside skirt(好まれる方)· inside skirt · fajita meatIMPS 121C / 121D
英国Skirt · thin skirtAHDB
オーストラリア / NZThin skirt(アウトサイド)· inside skirt · thick skirtはハンガー(サガリ)で、別の筋肉HAM
ArgentinaEntraña(アウトサイドスカート、膜付きまたは膜なし)IPCVA
ブラジルDiafragma · entranha(fraldinhaはフランクとフラップで、ハラミではない)Portaria 5/88
フランスHampe(アウトサイド)· onglet はハンギングテンダー(サガリ)で、ハラミではないLarousse
日本ハラミ · サガリはハンガーJMGA
ベトナムDiềm thăn ngoài(アウトサイドスカート)· diềm thăn trong(インサイドスカート)
メキシコArrachera
スペインEntraña(entraña gruesaはハンガー)
韓国안창살 (anchangsal) · 토시살 (tosisal)はハンガー
香港 · 台湾 · 中国外裙肉 アウトサイドスカート · 內裙肉 インサイドスカート(封門柳と肝連はハンガー)

実測データ

表から引いた数字ではなく、営業中の厨房で一つずつ測った数字です。厨房が違えば、トリミングの基準が違えば、数字も変わります。 実測データの集め方.

実測データ

Skirt

1計測シート(カットした塊)
1.7処理量(kg)
65 %ポーション歩留まり
68.2 %可食部
28.8 %除去した脂
3.2 %その他の可食肉

サンプルが少ないため参考値です。

Steakpedia Field Kitchen2026年9月28日 – 2026年9月28日

オープンデータ:ダウンロード (CSV · JSON, CC BY 4.0) →

よくある質問

ハラミとフランクステーキは同じ?

違います。ハラミ(スカート)は横隔膜で、薄く肉目が粗い部位です。フランクはもっと後ろにある腹部の筋肉で、厚く、赤身が多く、肉目が締まっています。どちらも強火で焼いて繊維を断つように切りますが、ハラミのほうが脂も風味も豊かです。

アウトサイドスカートとインサイドスカートの違いは?

アウトサイドスカートは横隔膜そのもので、幅が狭く、厚く、サシが多く、値段も高めです。インサイドスカートは腹横筋で、幅広く薄く、赤身が多く、やや硬めです。

ハラミとサガリ(ハンガーステーキ)は同じ?

違います。どちらも横隔膜のあたりから取れますが、サガリは背骨から下がる一本の厚い柱状の筋肉で、中央に筋があります。ハラミは横隔膜の薄く幅広い膜の部分です。

ハラミはマリネしたほうがいい?

必須ではありませんが、肉目が開いているので30分から数時間でマリネがなじみます。焼く前に塩だけをするのが、アルゼンチンとウルグアイのやり方です。

スカートステーキの別名は?

たくさんあります。アウトサイドスカートはアルゼンチン、ウルグアイ、スペインではエントラーニャ、メキシコではアラチェラ、フランスではアンプ(hampe)、日本ではハラミ、韓国ではアンチャンサル(안창살)と呼ばれます。オーストラリアではthin skirt、米国ではファヒータ用の肉としても売られています。似た名前のうち別の筋肉を指すものは、上の表でわかります。

ハラミは硬い?

焼きすぎたときや、繊維に沿って切ったときだけです。強火でミディアムレアに焼き、繊維を断つように薄く切れば、アウトサイドスカートはやわらかく食べられます。インサイドスカートは少し噛みごたえがあり、マリネすると食べやすくなります。

インサイドとアウトサイド、高いのはどっち?

アウトサイドスカートです。1頭に2本しかなく、多くがレストランや輸出に回り、厚くてサシも多いためです。インサイドスカートは出回る量が多く、ふつうは安めです。

ファヒータにはインサイドとアウトサイドのどちらが向く?

アウトサイドスカートが伝統的なファヒータ用の部位で、ジューシーに仕上がります。インサイドスカートも、マリネして繊維を断つように薄く切ればよく合います。

アラチェラはスカートステーキと同じ?

同じです。アラチェラはメキシコでのスカートステーキの呼び名で、ふつう柑橘、にんにく、スパイスでマリネし、刻んでタコスにします。アウトサイドとインサイドのどちらの場合もあります。

フランクとハラミ、どちらがおいしい?

風味とジューシーさならハラミです。脂が多く、肉目がゆるいためです。フランクは赤身が多く厚みがあり、均一に焼きやすく、きれいな細切りにしやすい部位です。強火で焼いて繊維を断つように切れば、ファヒータや炒め物ではどちらも代わりになります。

出典

6
  1. USDA Agricultural Marketing Service. Institutional Meat Purchase Specifications: Fresh Beef Series 100. Washington, DC, 2014. www.ams.usda.gov/sites/default/files/media/IMPS_100_Fresh_Beef%5B1%5D.pdf
  2. AUS-MEAT Limited. Handbook of Australian Meat, 7th ed. (International Red Meat Manual). Brisbane, 2005. www.ausmeat.com.au
  3. Instituto de Promoción de la Carne Vacuna Argentina (IPCVA). Cortes de carne vacuna argentina — nomenclatura y usos. Buenos Aires. www.ipcva.com.ar
  4. Larousse Gastronomique, rev. ed. London: Hamlyn, 2009.
  5. McGee, Harold. On Food and Cooking: The Science and Lore of the Kitchen, rev. ed. New York: Scribner, 2004.
  6. Steakpedia Field Kitchen. Butchery records, July–October 2026: 279 sheets, 1,604.6 kg of meat processed, weighed piece by piece on a calibrated scale and logged per cut. Open data, CC BY 4.0. steakpedia.com/field-data

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