購入ガイド · ローストとステーキ
プライムリブとリブアイの違い
プライムリブとリブアイは同じ筋肉です。プライムリブはリブ(あばら)の部分を骨付きのまま丸ごとローストして切り分けたもので、リブアイは焼く前にそこから切り出したステーキです。低温のオーブンで何時間も焼いたローストは縁から中心までピンク色になり、強火で数分焼いたステーキは両面に焼き色がつきます。「プライム」は部位の名前で、USDAの格付けを意味するとは限りません。
Steakpediaのほかの記事と同じ基準で書いた購入ガイドです。実際に試すか出典を確かめたうえで紹介し、掲載料で順位をつけることはありません。一部のリンクから手数料を得ることがありますが、おすすめの内容が変わることはありません。
早わかり
- 筋肉
- ロンギシムス+スピナリスのかぶり(両方)
- プライムリブ
- 骨付きのロースト、第6–12肋骨(IMPS 109)
- リブアイ
- 250–400 gのステーキ(IMPS 1112)
- 仕上がり温度
- 54–57 °C / 130–135 °F(ミディアムレア、両方)
プライムリブとリブアイは同じ部位?
はい。どちらも牛のリブ(第6–12肋骨)から取り、どちらもロンギシムス(リブ芯)の上にスピナリス(リブキャップ)が巻きつき、その間に脂の層があります。違いは切るタイミングです。プライムリブは丸ごと焼いてから切り分け、リブアイ(リブロース)は先に切ってステーキとして焼きます。
業界の規格では、違いは下処理の仕方にあります。USDA(米国農務省)の食肉購買規格(IMPS)では、リブ全体を103番、背骨(チャインボーン)を外してローストのためにかぶりの脂を整えたオーブン用のリブを109番としており、これがスタンディングリブローストのふつうの出発点です。骨なしのリブアイロールは112番(リップをつけたままのものは112A)、そこから切ったステーキは1112番、骨付きのリブステーキは1103番です。オーストラリアのハンドブックでは、同じ筋肉をキューブロール(小売ではスコッチフィレ)と骨付きのリブセットに分けています。
ステーキに切ると、同じ部分から骨1本につき骨付きのリブステーキが1枚、骨なしなら250–400 g / 9–14 ozのステーキが取れます。肋骨を長く残してきれいに削ると、骨付きのステーキはトマホークステーキになります。
並べて比べるとどう違う?
プライムリブは肋骨2–7本分のローストで、骨付きで1本あたり約0.9–1.1 kg / 2–2.4 lbです。リブアイは骨なしで250–400 g / 9–14 ozのステーキ1枚です。そのほかの違いは表のとおりです。
| プライムリブ | リブアイ | |
|---|---|---|
| 何か | リブの部分を丸ごとローストしてから切り分ける | 焼く前にリブから切ったステーキ |
| 骨 | ふつうは付いたまま。肋骨が焼き網の代わりになる | ふつうは外す。骨付きならリブステーキかトマホーク |
| 業界の品番(IMPS) | 103 リブ全体 · 109 オーブン用 · 112 骨なしロースト | 1112 骨なしステーキ · 1103 骨付きステーキ |
| 買うときの大きさ | 肋骨2–7本、1本あたり約0.9–1.1 kg / 2–2.4 lb | 250–400 g / 9–14 oz、厚さ2.5–4 cm |
| 1人あたり | 肋骨1本で2人分。骨付きで450–500 g / 16–18 oz | ステーキ1枚 |
| 加熱 | 低温のオーブン、95–110 °C 200–225 °Fで数時間 | グリルかフライパン、強火で数分 |
| 焼き色 | 外側だけ。端の切り身にいちばん多くつく | どのステーキも両面に焼き色 |
| ミディアムレア(休ませたあと) | 54–57 °C 130–135 °F | 54–57 °C 130–135 °F |
| 出し方 | 厚さ1.5–2.5 cm / ½–1 inの切り身、ジュ、ホースラディッシュ | ステーキ1枚のまま。骨から切り分けることも多い |
「プライム」はUSDAプライムのこと?
違います。プライムリブの「プライム」は部位を表す言葉で、アメリカでプライムリブとして売られるローストは、プライム、チョイス、セレクトのいずれの格付けのことも、格付けされていないこともあります。
この名前は格付けより古いものです。「プライム」は枝肉の中でいちばん良い塊を指し、1920年代に定められたUSDAの格付け基準がこの言葉に2つめの意味を与える前から、リブは「プライム」なローストでした。現在のUSDAプライムは最上位の品質等級で、若い牛でサシ(霜降り)が豊富なものに与えられ、格付けされる牛肉のごく一部を占めるだけです。本当にUSDAプライムのローストなら、ラベルにそう書かれ、ふつうは格付けの盾形マークがついています。ステーキも同じで、メニューの「プライム・リブアイ」がプライムの牛肉を意味するのは、格付けが明記されている場合だけです。
アメリカ以外では、この言葉は格付けを意味しません。オーストラリアでは同じ塊はスタンディングリブローストで、Meat Standards Australia(MSA)で予測される食味によって評価されます。イギリスではフォアリブやリブ・オブ・ビーフです。各国の制度の比較は格付け制度にあります。
それぞれどう焼く?
プライムリブは95–110 °C / 200–225 °Fで丸ごとローストし、中心が52–54 °C / 126–130 °Fで取り出し、休ませて最後に焼き色をつけると54–57 °C / 130–135 °Fに仕上がります。リブアイは強火で数分で同じ温度帯に達します。
ローストの場合、肋骨3本分の塊なら低温のオーブンで約3½–4½時間かかります。1–3日前に塩をふり、骨を下にして立て、いちばん厚い部分に温度計を刺して焼き、30–60分休ませてから、260–290 °C / 500–550 °Fのオーブンに6–10分戻して脂をカリッとさせます。大きな規模でのリバースシアです。低温で焼くので、縁から中心までピンク色で、灰色の層はほとんどできません。詳しい作り方はプライムリブのレシピにあります。
ステーキは時間も規模も逆の順序で焼きます。厚さ3 cm / 1¼ in未満のステーキはそのまま熱々のグリルかフライパンへ、それより厚いものは穏やかに火を入れはじめ、最後に焼き色をつけます。筋肉内の脂は50–55 °C / 122–131 °Fあたりで柔らかくなりはじめるため、リブアイはふつう赤身の多いステーキより少し高めの温度まで焼きます。焼き加減ごとの目標温度はステーキの温度にあります。
筋肉は同じでも、食べたときの印象は違います。ローストは均一なピンク色の切り身で、焼き色は縁だけです。ステーキは両面のメイラード反応によって、ひと口あたりの焼き色の部分がずっと多く、かぶりと芯を食べる人の好みに合わせて焼き分け、切り分けることができます。
買った1 kgあたり、食べられる肉が多いのはどちら?
骨なしで買えば、多くなります。骨なしのリブアイロールはほとんどがステーキになりますが、骨付きのリブセットは骨の重さを含み、フレンチング(肋骨の間の肉、脂、膜を削ぎ取ること)をするとさらに減ります。
スタンディングリブローストはそれほど深くフレンチングしないので、焼く前に失う分は少なくなりますが、切り分けたあと骨は厨房に戻ります。両方の部位を1枚ずつ分解したデータは、会員向けに準備中です。
1人あたりの量が違うのはこのためです。骨付きのローストなら2人に肋骨約1本、つまり1人450–500 g / 16–18 oz、骨なしのローストなら大人1人250–300 g / 9–10.5 oz、またはステーキ1枚です。大人数の食卓の量はクリスマスのローストビーフのガイドにあります。
それぞれ、どんなときに向く?
プライムリブは6人以上に一度に出す食卓に、リブアイはそれぞれ好みの焼き加減で、オーブンではなくグリルやフライパンで焼きたい2–4人に向きます。
ローストがアメリカとイギリスで祝日の食卓の定番の主役なのは、1つの塊、1本の温度計、1台のオーブンで食卓全員をまかなえ、よく保温されたリブは付け合わせを仕上げる間の1時間ほど熱を保つからです。端の切り身を取る人以外は全員が同じ焼き加減になり、残りはサンドイッチ用に薄切りにします。リブローストの需要は12月に最も高くなるため、ふつうは事前に注文します。
ステーキは、一人ひとりが焼き加減を選べ、数時間ではなく数分で焼け、皿の上の焼き色が多く、人数分ちょうどの枚数で買えます。グリルやフライパンには一度に数枚しかのらないため、大人数に一度に出すのは難しくなります。
よくある折衷案が2つあります。骨なしのリブアイロースト(IMPS 112)は骨のない同じ筋肉で、早く焼けてまっすぐに切り分けられます。また、精肉店にスタンディングリブの骨を切り離してもらい、元の位置に縛り戻してもらう方法もあります。骨の保温効果を保ちつつ、切り分けが簡単になります。
国ごとの呼び名は?
アメリカではローストはプライムリブまたはスタンディングリブロースト、ステーキはリブアイ。イギリスではフォアリブとリブアイステーキ。オーストラリアではスタンディングリブローストとスコッチフィレです。
| 国 | 骨付きロースト | 骨なしステーキ |
|---|---|---|
| アメリカ | Prime rib · standing rib roast | Ribeye · Delmonico(歴史的な名前) |
| イギリス | Fore rib · rib of beef | Rib-eye steak |
| オーストラリア / NZ | Standing rib roast · rib set | Scotch fillet(cube roll) |
| フランス | Côte de bœuf · train de côtes | Entrecôte |
| スペイン | Lomo alto con hueso | Entrecot · lomo alto |
| アルゼンチン | Bife ancho con hueso | Ojo de bife |
| ベトナム | Sườn bò nguyên tảng | Thăn lưng(ribeye) |
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よくある質問
プライムリブとリブアイは同じ?
第6–12肋骨の同じ筋肉です。プライムリブはその部分を骨付きのまま丸ごとローストしてから切り分けたもの、リブアイは焼く前にその部分から切ったステーキです。
プライムリブは必ずUSDAプライムの牛肉?
いいえ。「プライムリブ」は部位の名前で、アメリカではプライム、チョイス、セレクト、または格付けなしのこともあります。USDAプライムの牛肉には格付けが表示されています。
プライムリブのローストからリブアイステーキは切れる?
焼く前なら切れます。骨と骨の間で切れば骨付きのリブステーキに、骨を外せば骨なしのリブアイになります。
プライムリブとリブアイ、柔らかいのはどっち?
どちらでもありません。筋肉は同じです。柔らかさは格付け、熟成、焼き加減、そしてリブのどちらの端かで決まります。肩側はかぶりと脂が多く、ロイン側は芯が大きく赤身が多くなります。
出典
6
- USDA Agricultural Marketing Service. Institutional Meat Purchase Specifications: Fresh Beef Series 100. Washington, DC, 2014. www.ams.usda.gov/sites/default/files/media/IMPS_100_Fresh_Beef%5B1%5D.pdf
- USDA Agricultural Marketing Service. United States Standards for Grades of Carcass Beef. 2017. www.ams.usda.gov/grades-standards/carcass-beef-grades-and-standards
- AUS-MEAT Limited. Handbook of Australian Meat, 7th ed. (International Red Meat Manual). Brisbane, 2005. www.ausmeat.com.au
- Meat & Livestock Australia. Meat Standards Australia: Standards Manual for Beef Grading. Sydney, 2021. www.mla.com.au/marketing-beef-and-lamb/meat-standards-australia
- McGee, Harold. On Food and Cooking: The Science and Lore of the Kitchen, rev. ed. New York: Scribner, 2004.
- Steakpedia Field Kitchen. Butchery records, seven years: more than 9,000 whole pieces and 38 tonnes of beef, weighed piece by piece on a calibrated scale and logged per cut. steakpedia.com/field-data