屋台料理 · ラーロットで巻く
ボー・ラー・ロット
ボー・ラー・ロット(bò lá lốt)は、味付けした牛ひき肉をラーロット(lá lốt)という植物の葉で巻き、炭火で焼くベトナム料理です。炭の上で葉がふくれ、胡椒のような、かすかにスモーキーな香りを立て、それが肉と同じくらいこの料理を特徴づけます。
早わかり
- 発祥
- ベトナム南部
- 肉
- 脂のある牛ひき肉。豚バラを混ぜることが多い
- 葉
- ラーロット(Piper sarmentosum)。本来のキンマではない
- 分量
- 4人分、約30本
- 時間
- 作業50分、全体80分

キンマではなく、ワイルドベテル
レモングラス、エシャロット、にんにく、ヌックマム、黒こしょうで味付けした指ほどの大きさの牛ひき肉を、1本ずつラーロットの葉1枚で巻き、葉がふくれて脂がはじけるまで炭火で焼きます。熱で葉から立つ胡椒のような、かすかにスモーキーで草のような香りが、肉と同じくらいこの料理を形づくります。
英語のメニューではこの植物がベテルリーフ(betel leaf)と呼ばれることが多いのですが、ビンロウの実と一緒に噛むキンマ(Piper betle)ではありません。ラーロットはPiper sarmentosumで、英語ではワイルドベテルやロロットと呼ばれる、地を這う黒こしょうの仲間です。葉はやわらかいハート形で、つやがあります。タイではチャプルーと呼ばれ、ミエンカムで生のまま食べられます。マレーシアとインドネシアではダウン・カドゥックです。
牛肉7品のひと皿
ボー・ラー・ロットはベトナム南部と結びついた料理で、夕方の屋台のグリルで売られ、牛肉料理の店でも出されます。牛肉が手に入りやすくなった20世紀に生まれた南部の宴席料理、ボー・バイ・モン(bò 7 món、「牛肉7品」)の一品で、結婚式や家族の祝いの席で出されます。7品は店によって違いますが、食卓で酢の鍋にくぐらせる牛肉(ボー・ニュン・ザム)、牛肉の蒸しミートローフ(チャー・ドゥム)、網脂で巻いた牛肉(ボー・モー・チャイ)、焼いた牛肉、ボー・ラー・ロットがよく含まれ、最後は牛肉のおかゆ(チャオ・ボー)で締めます。
焼く前に肉を葉で包むのは東南アジア全体でよく見られる方法で、ベトナム北部の料理にも独自のラーロット料理があります。たとえばチャー・ラー・ロットは豚肉をラーロットで巻いたもので、焼くのではなくフライパンで焼き揚げにします。
材料
| 材料 | 分量 | メモ |
|---|---|---|
| 牛ひき肉(肩やブリスケットの端肉) | 500 g / 1.1 lb | 脂肪約15–20% |
| 豚バラ肉か豚の脂、細かく刻む | 100 g / 3½ oz | お好みで。巻いた肉をジューシーに保つ |
| レモングラス | 2本 | やわらかい部分だけを細かく刻む |
| エシャロット、にんにく | エシャロット3個(60 g / 2 oz)、3片 | みじん切り |
| ヌックマム(魚醤) | 大さじ1½ / 22 ml | |
| 砂糖 | 小さじ2 / 8 g | |
| 黒こしょう | 小さじ1 | 挽きたて |
| 五香粉またはカレー粉 | 小さじ¼ | お好みで |
| クセのない油 | 大さじ2 / 30 ml | たねと、塗る用 |
| ラーロットの葉 | 約35枚と予備 | 洗って水気をふき、茎を切りそろえる |
| ねぎ油(モー・ハイン) | 熱した油60 ml / ¼カップに青ねぎ3本 | 焼いたあとに塗る |
| ローストピーナッツ | 50 g / 1¾ oz | 砕く |
| 添えるもの:ライスペーパー、米の細麺(ブン)、レタス、ハーブ、にんじんと大根のなます、マムネムまたはヌックチャム |
作り方
- 牛肉、豚肉、レモングラス、エシャロット、にんにく、ヌックマム、砂糖、こしょう、スパイスパウダー、油大さじ1を混ぜます。粘りが出るまで軽くこね、冷蔵庫で20–30分休ませます。
- 葉のつやのある面を下にして置き、茎の側にたねを大さじ約1 / 15 gのせ、きっちりと円筒形に巻きます。つやのある面が外側になります。葉の先を折り込むか、茎を刺して留めます。
- 巻いたものを横に並べて串に刺すか、巻き終わりを下にしてグリル用のかごに並べます。
- やや強めの炭火で、熾火から約15 cm / 6 in上に置き、何度も返しながら6–8分、葉がふくれてたねの中まで火が通るまで焼きます(牛ひき肉は71 °C / 160 °F)。フライパンや220 °C / 430 °Fのオーブンでも作れますが、煙の香りはつきません。
- ねぎ油を塗り、砕いたピーナッツを散らします。すぐに出します。
網脂、豚肉、ぶどうの葉
たねに刻んだきのこや少量の刻んだ脂を加える料理人もいれば、豚肉と牛肉を同量で混ぜる人もいます。葉の代わりに網脂で巻くボー・クオン・モー・チャイは、ボー・バイ・モンの献立で対になる一品です。北部では豚肉のチャー・ラー・ロットをフライパンで焼きます。ベトナムの外でラーロットが手に入らないときは、ぶどうの葉や大葉で代用することもありますが、風味は別物になります。
ライスペーパー、ハーブ、マムネム
食卓では、めいめいがライスペーパーを1枚もどし、レタス、ミントや紫蘇などのハーブ、少しの細麺、なます、そして2–3本の肉巻きをのせて包み、たれにつけます。南部のたれはマムネムが多く、パイナップル、にんにく、唐辛子を合わせた発酵カタクチイワシのたれです。ライムと砂糖で割ったヌックマムのヌックチャムは、よりまろやかな選択肢です。米の細麺の上にのせて、ブン・ボー・ラー・ロットとして手軽に出すこともできます。
よくある失敗:赤身の牛肉を使ってパサつかせる。葉のつやのない面を外にして巻き、破れたり見た目がくすんだりする。火が強すぎて、肉に火が通る前に葉を焦がす。冷蔵庫で休ませる工程を省き、たねがぼろぼろになる。そして牛ひき肉を中心が生焼けのまま出すこと。食品安全機関は牛ひき肉を71 °C / 160 °Fまで加熱するよう勧めています。
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よくある質問
ラーロットはキンマの葉と同じ?
違います。ラーロットはPiper sarmentosumで、ワイルドベテルやロロットとも呼ばれます。ビンロウの実と一緒に噛むキンマはPiper betleで、近縁ですが別の植物です。
ボー・バイ・モン(bò 7 món)とは?
ベトナム南部の、牛肉7品の宴席料理です。たいていボー・ラー・ロット、網脂巻きの牛肉、酢の鍋、蒸しミートローフ、締めのおかゆが含まれます。
ボー・ラー・ロットに合うたれは?
南部ではパイナップル入りの香りの強いカタクチイワシのたれ、マムネムです。ライムとヌックマムで作るヌックチャムは、よりまろやかな選択肢です。
出典
3
- USDA Food Safety and Inspection Service. Safe Minimum Internal Temperature Chart. 2023. www.fsis.usda.gov/food-safety/safe-food-handling-and-preparation/food-safety-basics/safe-temperature-chart
- Nguyen, Andrea. Into the Vietnamese Kitchen: Treasured Foodways, Modern Flavors. Berkeley: Ten Speed Press, 2006.
- Vu Hong Lien. Rice and Baguette: A History of Food in Vietnam. London: Reaktion Books, 2016.